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農家も人工知能に?? 甘いトマトをプロでなくても

 

いらっしゃいませ!
今日もいいもの用意しときましたよ!

 

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    近年、急激に話題になっている人工知能。SiriやAlexaなど生活のすぐそばにあります。実はそんな人工知能、工業などの分野のみならず農業の分野にまで使われ始めています。今日はそんな農業分野での利用について触れていきたいなと思います。特に進んでいる トマト🍅 のお話をさせてもらおうかと思います。

 

甘いトマトの秘密

    フルーツトマトと呼ばれる甘いトマトが10年前くらいから少しづつ話題になってきて今ではかなり身近な野菜になってきました。トマト嫌いの人も食べれるトマトと話題になったりもしましたよね。

    フルーツトマトを作るのは極めて高い技術が必要と言われています。甘いトマトを作るにはトマトの特徴を利用します。その特徴というのは水を減らせば減らすほど甘くなる傾向があるということです。つまり、水をやらなければ甘くなるということです。ただ、もちろんですが一切水をやらなければ当然枯れてしまいます。実が小さくなることもありえます。それをこれまでの経験から見極めるのが農家さんです。かなり難しいようです。長い時間かけて経験を積み、苦労して作ってるんですね。

 

人工知能の力で甘いトマトを

    さて、熟練の農家でないと作れないトマトを人工知能で生産したという偉業について話を進めましょう。

    人工知能に農家と同じような見極め力を身につけさせれば農家の力がなくても作れるということになります。

    静岡大学の峰野教授は水分の状態を植物のしおれ具合注目しました。単にしおれ具合といってもそれを分析するのは非常に困難です。教授はこのしおれ具合を葉の画像を分析するとともに温度や湿度等の情報から茎の太さを予測し、そうして得られたデータから人工知能により水を管理するというシステムを構築されました。

 

何が難しい?

    僕が研究したわけではないので実際どんなことが難しかったかはわかりませんが、多分大変だっただろうなと思うところを書いてみたいと思います。

    まずはなんといっても水の状態を何に注目して把握するかということでしょう。農家の方が何に注目しているのか、その中で最も影響力のあるデータは何かということなどを考えられたのかなと思います。そうしてたどり着いたのがしおれ具合です。経験で培った感覚的なことをこうして理解するのはかなり難しいことだと思います。

    そして次が何でしおれ具合を把握するかです。教授は葉などの画像から読み取るという方法で把握しました。意外に忘れがちですが、画像を分析するというのは非常に難しいことです。どれが葉っぱなのか、どこまでが茎なのか、人間からすれば簡単な見分けも機械にとっては難しいことです。周りとの色の違いなどをデータ化し、そこから計算などをすることでやっと境界線などを読み取ることができるのです。このような手間を経て得られたデータから将来どの程度しおれるかを予測するには多くのデータが必要になることはもちろんのこと、それをいかに単純なシステムにするかということはきっと大変に違いありません。

     しおれ具合が予測されても環境による変化も考えなくてはならず、さらに様々なデータを組み合わせる必要があり、それをどのように評価するか考えることも難しかったのではないでしょうか。

    そしてそのしおれ具合に対してどの程度水を与えるかを人工知能で制御するというのも予測をしっかりとしなくてはなりませんからかなり大変だったのではと思います。

     なんせ相手は植物です。わからないことだらけでトラブルだらけだったに違いありません。それを乗り越えてこうしてシステムを構築したことは本当にすごいことだと思います。

人工知能の導入で何が変わる?

    人工知能が農業に応用されることはとても大きな影響を与えます。

    まずは労働生産性がはねあがるということです。農業を営む人が減っているなか、少ない人数で多くの作物を作ることができる。これは日本にとってかなり重要でしょう。

    また、技術の伝承も可能になります。これまでは農家の勘で行なっていたものをデータ化し、これまでは経験でしか学べなかったものをデータとして手にいれることができます。また、なんの知識のない人でも人工知能を用いれば栽培ができるようになります。つまり、農業を始めるのがより簡単になるということです。これにより多くの人が農業を始めるようになるかもしれません。他にも遠くの地域のデータを利用できるようになるなどの可能性がありますね。まあ、どれもデータ分析し、それを人工知能で制御できるようなシステム構築をしなければなりませんがね。構築できれば一気に広がって行くような気がします。

 

参考

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstnews/2019/6/2019_8/_article/-char/ja

http://www.shizuoka.ac.jp/pressrelease/pdf/2018/PressRelease_78.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI07/0/JSAI07_2E59/_pdf/-char/ja

 

まとめ

    人工知能はかなり身近になりつつありますが、おそらくみなさんの想像している何倍も導入するのはかなり時間のかかることです。導入は大変ですが、導入できたときの効果は絶大です。これから多くの研究が進めばなと思います。そのための予算がどれくらいあるのかは知りませんが……