じょんのかがく喫茶

厳選された至福の1杯いかがですか?

雨のにおいって本当にあるの?

 

いらっしゃいませ!
今日もいいもの用意しときましたよ!

 

 夏の暑さも少しずつなくなり、もう秋だなと感じる時期になりましたね。この時期には秋雨前線が発達して、雨が降り続けたりして洗濯が大変だったり、外に出るのが億劫になったりしますよね。雨といえば、小さいころから雨のにおいがわかるという人もいたのではないでしょうか? 雨のにおいがわからない人間からすれば雨のにおいなんてあるわけないだろって感じでしょう。今日はそんな雨のにおいっていったい何なの?本当にあるの? そんなことについて書いていければなと思います。

 

 

雨のにおいは実在する

 雨のにおいがあるのかないのか論争にいきなりですが決着を付けましょう。その答えはあります。

 

雨のにおいは粘土質のにおい?

雨のにおいはペトリコールと呼ばれており、研究がされています。この匂いは雨のにおいとされていますが、鉱物を研究する人からすれば粘土質のにおいとしてよく知られているにおいです。論文が手に入らず、全文を読むことはできなかったのですが、どうやらこの匂いの原因は植物やバクテリアが生成する油によるものだそうです。

 

雨のにおいは微生物の死骸の香り?

 実はペトリコール以外にもう一つ雨のにおいの原因物質とされるものがあります。それはゲオスミンという化合物です。この化合物は土の中に住む微生物により合成される物質です。微生物が死ぬとその化合物を放出します。その結果、土の中にこの物質が広がった状態になります。ちなみにこの匂いはカビのにおいの原因物質でもあります。

 

雨のにおいを感じることができる理由

 雨のにおいの原因は上に書いた通りです。次はこのにおいがどのように私たちの鼻に伝わるかについて簡単に書いていきたいと思います。

 雨のにおいの原因物質は普段は土にあります。雨が降ると、雨粒は地面にぶつかります。このとき、エアロゾルというものが発生します。エアロゾルというのはめちゃめちゃ小さな液体や固体と思ってもらえば結構です。すごく小さいので空気中に浮遊することができます。こうして浮遊した物質が私たちの鼻に入るわけです。

 このエアロゾルの発生は大雨では起きにくいそうです。軽い雨の時によく発生するそうです。

 

 ここから先は僕の考察になりますので、間違いもあるかもしれません。

でも経験と違うような……

 雨が降る前に雨のにおいを感じるイメージがあります。大雨であろうと小雨であろうと。同じようなイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、上の説明だけでは明らかにその説明がつきません。強い雨ほど匂いにくいのは経験と違う気がします。エアロゾルが発生するには雨が降り始める必要がありますが、雨が降る前に感じたこともあるはずです。なんだかおかしい気がします。何とかしてこのことの理由をつけていきたいと思います。

 

僕らはゲオスミンを感じやすい

 ポイントはゲオスミンという化合物かなと僕は思います。ゲオスミンという化合物はカビのにおいです。人類はこれまでたくさんの食物を食べてきました。その中でどんどんと進化をし、危険なものを匂いや味、色である程度予測できるようになりました。当然、カビのにおいなんてその筆頭です。人間の嗅覚はすさまじいものでゲオスミンに関しては空気中に6.5ppt含まれているだけでにおいを感じることができます。pptってなんだと思った人が大半かと思います。これは1/1,000,000,000,000 (1兆分の1) を表します。イメージしやすいようにすると、6.5pptは50mプール1000個に小さじ1杯の醤油を加えたときの濃度のようなものです。つまり、空気中にほんのちょっとだけでもゲオスミンが入っていればわかっちゃうんです。人間の鼻も意外に優秀ですよね。

 

雨の前に雨のにおいを感じるのはなぜ?

 さて、話を雨の話に戻しましょう。なぜ雨も降っていないところで雨のにおいを感じることがあるのでしょうか。どんな雨も降り始めからいきなり土砂降りなんてないですよね。どんなに早くても降ってきたなと感じて10秒後にいきなりとんでもないのが来るみたいなレベルかと思います。たいていの雨が始まった瞬間にゲオスミンはほんの少しかもしれませんが空気中に漂うのではないかと考えます。これが風によって雨の降っていないところに浮遊してくるんじゃないかと。先ほど書いた通り、ゲオスミンはほんの少しでも空気中に含まれていればにおいを嗅ぐことができるので可能性はあるかと思います。また、雨の降っているところは基本的には低気圧であり、上昇気流が発生しているためある程度の高さまでゲオスミンを含むエアロゾルが浮上でき、遠くまで届くんじゃないかと思います。雨にぶつかって、地面に落ちてしまうエアロゾルも大量にあるのではないかと思いますが、ほんの少しでも届けばいいということを考えると雨の降っていない地域まで届きそうな気がします。

 あくまでこれは僕の考察なので科学的根拠をはっきりと示すことはできませんが、おそらくこのような過程で大雨の前の時でもにおいを感じることができるのではないかと僕は考えます。

 

参考

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/13/news092.html

Nature of argillaceous odour

(http://www.readcube.com/articles/10.1038/201993a0)

genesis of petrichor

(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0016703766900251)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/65/9/65_425/_pdf

おわりに

 今回は雨のにおいに迫りました。今調べて出てくる情報だけ見るとなんか経験に合わない部分があるように感じたので僕なりに考察してみました。こうした経験との違いみたいなのが新しい発見を生んだりするものだと思うので違和感には今後もしっかり向き合っていきたいですね。書いていて思ったのですが、考察の部分の文章読みにくいですね。次回からはもうちょっと頭の中でまとめてから書けるようにしたいです。ではでは~