じょんのかがく喫茶

厳選された至福の1杯いかがですか?

火力発電は悪い?良い? これからの発電を考える

 

いらっしゃいませ!
今日もいいもの用意しときましたよ!

 

このシリーズでは環境問題の解決に重要な発電についていろいろ書いていくシリーズです。これまで太陽光発電、風力発電の問題点に触れまくってきました。

今回は火力発電について触れていきたいなと思います。実は意外に……

 

その前にこれまでの記事もぜひ

www.johnsnews.com

 

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火力発電の最も大きな問題

火力発電の大きな問題は言うまでもありませんね。

二酸化炭素が出る!

多くの人が俺を真っ先に言うでしょう。他にもあります。

化石燃料をたくさん使う!

限りある貴重な資源をたくさん使います。

いつかなくなるかもしれない。持続不可能です。

 

こんな発電じゃだめだ!ということでいろいろな方法が考えられているわけですね。でも、前回までで書かせてもらった主要な再生可能エネルギーはまだまだ厳しい状況です。

 

火力発電って本当に悪いの?

環境のためにもできれば再生可能エネルギーを使いたいという考えの人が多いでしょうが、本当に火力発電は悪いのでしょうか?

発電の効率は 40% と非常に高いです。

でもやっぱりデメリットが……

でも、実はかなり改善されつつあるんです。

今回は火力発電の中でもLNG(液化天然ガス)を用いた火力発電に注目して書いていけたらと思います。

 

LNGって何? 

LNGというのは低温にすることで液体にした天然ガスです。

天然ガスなんて昔からあるじゃん! と思う人もいるかもしれませんが、技術の発展でかなり簡単に液体にすることが可能になりました。

液体にわざわざするメリットなんてあるの? と思うかもしれませんが、かなりメリットが大きいです。

液体にするメリットは?

輸送がめっちゃ簡単になった

天然ガスはもちろんもともとは気体です。

そのため普通に運ぶとすると、とんでもなく大きな容器が必要です。

それを船で運ぶとなると、運送コストはとんでもないものです。

 

気体を液体にすれば体積が小さくなることは皆さんご存知かと思います。

天然ガスも同様です。

体積は1/600ほどになります。簡単な例を言うとすれば25mプール分の天然ガスを液体にするとお風呂5杯分ほどになるということです。

具体的に言えば、今まで600往復で運んでいたものが1回で済むということです。

 

扱いがとても簡単

気体よりも液体の方がいろいろと調整が簡単です。運ぶとき、分けるとき、入れるときなどなど。

気体を扱うよりも液体の方が簡単なのはまあ当然ですね。

 

不純物を取り除ける

NOx や SOx という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これらは光化学スモッグや酸性雨などの原因になる物質です。

これが何から生まれるかというと、石油や石炭、天然ガスを燃やした時に生まれます。もちろん、車のガソリンからも出てきます。

触媒などによりある程度抑えてはいます。ただ、たしかにちょっとはほんのちょっとは出てしまいます。また、触媒はとんでもなく高いです。

 

天然ガスを液化するとき、これらの不純物を取り除くことが可能です。気体から液体にするときに純度が上がるということです。(そもそも天然ガスの中に不純物があまり含まれていなかった気がする。)

つまり、天然ガスの発電では不純物の処理が比較的簡単になります。これは結構大きいです。

 

そもそも天然ガスって悪い感じがする!

石炭や石油に比べればはるかにクリーンなエネルギー源です。

先述のように不純物が少ない時点でかなりクリーンですが、なんと二酸化炭素をあまり出さない  のです。石油や石炭と比べるとかなり少ないです。

というのも、成分を考えればかなり簡単にわかる話です。

基本的に燃料というのは C H でできています。

 

天然ガスは主にメタンというものが入っています。

メタンは C が1つ H が4つの化合物です。

つまり燃やせば、二酸化炭素が1つ、水が2つ出てきます。

 

それに対し、石油はどうでしょうか? いろいろな成分が入っていますが、仮にオクタンが主成分としましょう。

オクタンは  C が8つ H が18個 の化合物です。

つまり燃やせば、二酸化炭素が8つ、水が9つ出てきます。

二酸化炭素1つにたいしてほぼ1つの水が出てくるという感じですね。

 

ものが変化するとき、エネルギーが出ることを考えると、メタンは少ない二酸化炭素でよりたくさんの水の変化エネルギーを使うことができるということがわかります。

 

石炭もよりCがたくさんなので天然ガスよりもクリーンとは言えません。

 

こんなこともあり、圧倒的にクリーンなのが天然ガスなのです。

 

効率をぶち上げた コージェネレーションシステム

ここ10年ほどでコージェネレーションシステムというのが一気に発展し始めました。

コージェネレーションシステムというのは発電したときに無駄になっていた熱を有効に使おうというシステムです。

効率はなんと 75%~80% にもなります。

余った熱を工場などで使う熱源や冷暖房、給湯などに利用するといったものです。

エネルギーを余すことなく有効に使えるというのは非常に大きいかと思います。

 

家庭用だったらエネジョーズとかがそれですね。

 

LNG火力発電っていいくない?

さて、ここまで読んでみて、火力発電って思ったより悪くないんだなと思ってもらえたらとてもうれしいです。

とはいっても、やはり、二酸化炭素は出ますし、使いたくないのも事実です。

ただ、使わざるを得ない理由があります。それについては次回。