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数学ができるセミ! 実はうるさいだけじゃなかった

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いらっしゃいませ!
今日もいいもの用意しときましたよ!

 

 セミの鳴き声ももう聞こえなくなりましたね。なんか、夏が終わったなと思います。さて、今日はそんなセミのお話です。アメリカには数学のできるセミがいます。ちょっとオーバーな表現かもしれませんがね。そのセミはある一定周期で地上に出てきます。実はその周期にはとんでもない秘密があるんです。今日はそんな話ができたらなと思います!

 13年周期と17年周期のセミ

 アメリカには不思議なセミが生息しています。それは素数ゼミと呼ばれています。このセミはアメリカに生息しており、アメリカ北部では17年に1度、アメリカ南部では13年に1度大量発生します。その間に成虫が現れることはほぼないというとっても不思議なセミです。簡単に言えば20歳で見たら次に同じセミが見れるのは33歳か37歳の時となります。普通のセミみたいに毎年毎年うるさいな~とはならないわけです。セミは長い間地中で過ごすということはご存知かと思いますが、これほど長い種類はいません。昆虫の中で最も長生きするそうです。

 しかしどうしてこんなに長生きでしかも13年と17年というまたよくわからない周期で出てくるのでしょうか。実は研究が進み、ある程度根拠のある説が出てきています。

氷河期を耐えしのぐセミの幼虫

 このセミも昔は普通のセミのように毎年出てきたといわれています。しかし、氷河期が始まり、成長が困難になり、本来であれば5年もあれば成虫となるものもなれなくなり、少しづつ地中にいる時間が長くなりました。そして、運よく成虫になったとしても彼らにはさらなる地獄が待っています。たいていの幼虫は餓死してしまうため、パートナーが見つからないということです。つまり、子孫を残すことが困難であると言えます。

同じ周期で生き残るセミたち

 氷河期により子孫を残すことが困難になったセミたち。だからといって、待ったく出会わないわけではないです。運良く出会える可能性もあるわけです。この時出会うセミのパターンは2種類です。同じ周期のセミ同士か異なる周期のセミたちかということです。

 このときどちらのほうが生存しやすいかということについて考えてみます。同じ周期同士の場合、次の世代も同じ周期で出てくる可能性が高いです。異なる周期の場合、子供の周期はずれてしまう可能性が高いです。たった1度ではそれほどの差にはならないかもしれませんが、何度か繰り返すと異なる周期のセミたちの子供はどんどんとバラバラの年に出てくるようになります。対して、同じ周期のセミたちの子供はずっと同じ周期で出てくるようになります。仮に同じ数成虫になったとすると異なる周期のセミの子供はバラバラの年に出てくるわけですからパートナーはどんどん見つけにくくなります。同じ周期のセミの子供は自分と同じ周期のセミたちが大量にいるわけですからパートナー探しには困らないでしょう。こうして、ある一定の周期のセミがどんどん個体数を増やしていくことになります。

他と出会いにくい素数周期ゼミ

 さて、本題に入りましょう。上で同じ周期のものがどんどん残っていくという話をさせてもらいました。その結果、12年~18年の周期をもつセミたちが残るようになったようです。18年はセミが地中にいる限界だそうです。

 13と17。これを見て、ほぼすべての人が素数やん!と思ったかと思います。素数がポイントになります。先ほども書きましたが、違う周期が混ざると個体数は減少します。つまり、いかにして他の周期のものと混じらないかが種の存続に重要な要素の一つといえます。

 それではここで同じ時期に生まれた12~15年周期のセミが混ざる頻度を考えてみましょう。そのために何年に1回出会うかを考えればいいです。つまり、周期の最小公倍数を求めればいいということになります。それでは求めてみましょう。

  • 12年と13年 156年に1回
  • 12年と14年 84年に1回
  • 12年と15年 60年に1回
  • 13年と14年 182年に1回
  • 13年と15年 195年に1回
  • 14年と15年 210年に1回

 これを見ると、13年が最も他と出会いにくいと言えますよね。18年まで考えると13と17はかなり出会いにくいことがわかるかと思います。素数の最小公倍数は大きくなるということがポイントですね。

 先ほどから書いている通り、いかにして混ざらないかが重要なので素数周期が最もよく種を残せると言えます。他の周期は世代を重ねるにつれて少しづつ減っていってしまいます。こうして、13年と17年という周期でセミが誕生するようになったわけです。

 

捕食者の周期の影響

 上のこと以外にも素数である理由があるとも考えられています。それは捕食者の影響です。セミの捕食者はたくさんいます。そして、それぞれにもある程度の個体数周期は存在するはずです。このことを考えると、捕食者周期とできるだけかぶらないようにするほうがより生存しやすいと言えます。これも先ほどと同様に出会う頻度を考えると、最小公倍数が大きいほうが有利であり、素数が最もいいと言えます。そういったこともあり、素数が残るということです。

 

この記事以降に書いたものについては参考にしたものを貼っておくのでより深く知りたい人はぜひ。(ここから先いくつか先に書いておいた記事があるのでそれにはついてません。ごめんなさい…)

<参考文献>

https://tenki.jp/suppl/romisan/2016/08/18/14811.html

https://www.jstage.jst.go.jp/article/bjsiam/25/3/25_KJ00010051089/_pdf/-char/en

https://www.sci.shizuoka.ac.jp/sciencecafe/news/20180906_02.pdf

 

 ということで今回は素数ゼミを紹介させてもらいました。数学の知識を使えるわけではないですが、数学的に考えて有利なものがどんどん残っていったというわけです。生物は面白いですね。どんどんと効率化されているというか。マネできるようなことがあればマネしたいですね。ではでは。